在宅無菌

1. はじめに…

医療費抑制に向けて、ジェネリック医薬品を勧められたり、長期入院が少なくなり、在宅で過ごす患者さんがますます増えつつあります。ここでは、在宅医療についてご紹介します。

2. 在宅とは…

在宅医療とは、通院不可能な患者さんが 自宅において過ごせるよう、その人の価値観に敬意を払い、人生に寄り添い、命を支え、生き方を支援する医療活動です。
以前より行われていた 急患に対応する往診と異なり、定期往診(訪問診療)と24時間対応で構成されています。急病には 臨時往診があります。病状により、通院困難であったり、介護者が毎回付き添って受診出来ない場合に、往診を行っている医師に、依頼することにより受けられます。
また、入院中の患者さんが退院する時に、病院からの連携で 往診医を紹介してくれることも、多くあります。在宅では、往診医の他に 訪問看護師、ケアマネージャー、訪問リハビリ、薬局薬剤師などが、連携をとってチーム医療を行います。

3. 薬局薬剤師の在宅への関わりかた

薬局薬剤師はお医者さんや看護師さんと協力しながら病院や診療所に通院することが困難な方に対して、お宅までお薬をお届けし、次のようなことをしております。
(1)薬学的管理指導計画書をたて、服薬指導をします。
①服薬状況の把握と、服用方法、
服用しやすくするための相談
②副作用、相互作用のチェック
③薬の保管、管理の方法
④お薬の記録を管理
(2)在宅介護用品についての相談
(3)IVH無菌調剤などの在宅医療への対応
(4)医師、訪問看護師、ホームヘルパーなどとの協力により、薬剤師
としての専門性をいかし、患者さんの有意義な在宅療養生活を支援します

4. 料金

在宅訪問管理指導をおこなうと、

介護保険をお持ちでない方の場合

1割負担の方で、薬代の自己負担のほかに負担分は、650円になります(居住系施設入所の方や同住居は300円になります)。(保険点数では、月毎に各回650点、または300点、1点10円の1割の自己負担がかかります。)

介護保険をお持ちの方の場合

介護保険が優先になり、患者負担金は1割で、同じように薬代の1割自己負担のほかに503円もしくは352円になります。在宅の方1回503円、居宅系施設の方は1回352円になります。
他に 特別な薬剤が使用されると、100円加算されます。
またこの費用は、介護保険の支給限度額とは別枠になり、
受けられるサービスが減ることはありません。お気軽にご相談ください。

私たちは 常に患者さんに寄り添いながら、住み慣れた家で安心して
医療を受けられるようお手伝いしたいと思っています

在宅中心静脈栄養療法のご案内

はじめての患者さんの場合は、在宅IVHが決まり次第 ご連絡ください。(先生、訪問看護、患者さんとの打ち合わせ、薬剤の準備が必要となります。)患者さんの情報提供書も お送り下さるようお願い致します。

1.外来受診日、又は往診時に発行された処方箋に基づき無菌室で調整します。処方箋はあらかじめ、開始日の前々日までにFAXでお送りください。
尚、当薬局の無菌調剤日は 水曜日(祝日の場合はその前後)ですので、水曜日の午前までの分は、退院時処方で 持たせて下さい。

2.処方箋は、FAXしたあと、患者さんにお渡しください。または郵送でも結構です。訪問時、処方箋を受取り、薬剤をお渡しします。

3.処方日数は1週間分を基本単位として お願い致します。状態安定しており、長期に処方される場合は7の倍数でお願い致します。7日分ずつ 分割して調剤し お渡しします。

4.薬剤のご自宅への配達と在宅服薬指導を希望される場合は服薬指導指示書をお願い致します。情報提供書に追記されても結構です。

5.在宅服薬指導を行った場合、別途、指導料が加算されます。介護保険をおもちのかたは、介護保険優先で計算されます。詳細は別紙④を参照してください。また、使用済みの輸液バッグ、ライン等は、当薬局で回収、処分します。

6.応需地域は原則として 半径10km範囲内(草加市、越谷市、川口市、八潮市の一部)ですが状況により、相談に応じます。

7.院外処方箋で保険適応できるものについて
注射薬: 中心静脈療法の範囲が適応となっています。治療薬の一部以外は、保険調剤薬局で取り扱うことができませんので、他剤形への変更や、往診での対応をお願いする場合もあります。

私達は、無菌調剤を通じて地域の在宅医療のチームの一員として、在宅患者さん・ご家族の方をサポートします。個々の病院・医院のシステム、患者さんの状況に合わせた対応をしておりますので、気軽にご相談ください

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参考

医療材料について

調剤薬局が『輸液セット』として保険で対応可能な器具は、輸液バックと中心静脈カテーテルをつなぐ延長チューブ、フィルターを含む注入ラインの全てです。プレジェクトシリンジホルダーも含まれます
医療材料は、医療機関か薬局のどちらか一方からしか請求できません。

●医療材料を医療機関から患者さんに供給する場合
【輸液セット加算】として「2000点/月」が算定できますが、これは「加算に含まれるすべての材料」を医療機関が患者さんに供給した場合にのみ算定が可能となります。連続投与の輸液セット代として想定されているため、1か月に7組以上提供する場合には、1組につき 本体1880円、付属品として フーバー針411円を請求できます。

●薬局から供給する場合
薬局は、供給内容にかかわらず、処方された組数だけ在宅中心静脈栄養輸液セットとして 本体1880円、付属品①フ-バー針;411円 ②輸液バッグ;411円で保険請求します。
※「IVH のバックだけ院外で…」「○○の針だけは薬局から…」とうことはできませんのでご注意ください

したがって
・IVHバックを使用する場合
・医療材料を在庫にしたくない場合
・患者さんが輸液と一緒に医療材料の配達を希望する場合
以外は、医療機関での対応をお願いしたします

衛生材料について

衛生材料は【在宅療養指導料】の所定点数に含まれており、別に保険請求はできません。
医療機関より十分な量を指導の際に支給すべきこと、とされています。ただし、患者さんや医療機関のニーズに答える形で、薬局で用意することもできます。

薬剤について

次の厚生労働大臣の定める注射剤に限り投与できる。と定められています。

・インスリン製剤
・ヒト成長ホルモン剤
・遺伝子組換え活性型血液凝固第Ⅶ因子製剤
・遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤
・乾燥人血液凝固第Ⅷ因子製剤
・乾燥人血液凝固第Ⅸ因子製剤(活性化プロトロンビン複合体及び乾燥人血液凝固因子抗体迂回活性複合体を含む)
・性腺刺激ホルモン放出ホルモン剤
・性腺刺激ホルモン剤
・ゴナトロピンホルモン誘導体
・ソマトスタチンアナログ
・自己連続携行式腹膜灌流用灌流液
・在宅中心静脈栄養法用輸液(*1)
・インターフェロンアルファ製剤
・インターフェロンベータ製剤
・ブトルファノール製剤
・ブプレノルフィン製剤
・塩酸モルヒネ製剤
・抗悪性腫瘍剤
・グルカゴン製剤           ex)注射用グルカゴン
・ヒトソマトメジンC製剤        ex)ソマゾン注射用
・人工腎臓用透析液
・血液凝固阻止剤           ex)クレキサン皮下注
・生理食塩液
・プロスタグランジンI2製剤      ex)静注用フローラン
・エタネルセプト製剤         ex)エンブレル皮下注
・注射用水
・ペグビソマント製剤         ex)ソマバート皮下注
・スマトリプタン製剤         ex)イミグランキット皮下注
・クエン酸フェンタニル製剤      ex)フェンタニル注射液
・複方オキシコドン製剤        ex)パビナール
・ベタメタゾンリン酸エステルナトリウム製剤      ex)リンデロン注
・リン酸デキサメタゾンナトリウム製剤   ex)デカドロン注射液
・メタスルホ安息香酸デキサメタゾンナトリウム製剤
・プロトンポンプ阻害剤          ex)オメプラール注
・H2遮断剤              ex)ガスター注、タガメット注
・カルバゾクロムスルホン酸エステルナトリウム製剤   ex)アドナ注
・トラネキサム酸製剤         ex)トランサミン注
・フルルビプロフェンアキセチル製剤  ex)ロピオン静注
・メトクロプラミド製剤        ex)プリンペラン
・プロクロルペラジン製剤       ex)ノバミン
・臭化ブチルスコポラミン製剤     ex)ブスコパン
・グリチルリチン酸モノアンモニウム・グリシン・L-システイン塩酸配合剤
ex)強力ネオミノファーゲンシー
他に、電解質製剤と注射用抗菌薬の一部で使用可能な薬剤が追加されています。
(*1)「在宅中心静脈栄養法用輸液」とは高カロリー輸液をいう。なお、高カロリー輸液を投与する場合には、これ以外ビタミン剤、高カロリー輸液用微量元素製剤及び血液凝固阻止剤を投与することができる。

利用料について

在宅訪問管理指導をおこなうと、
介護保険をお持ちでない方の場合
1割負担の方で、薬代の1割自己負担のほかに負担分は、650円になります(居住系施設入所の方は300円になります)。(保険点数では、月毎に各回650点、または300点、1点10円の1割の自己負担がかかります。)
介護保険をお持ちの方の場合
介護保険が優先になり、患者負担金は1割で、同じように薬代の1割自己負担のほかに503円もしくは352円になります。在宅の方1回503円、居宅系施設の方1回352円になります。
他に 特別な薬剤が使用されると、100円加算されます。
この費用は、介護保険の支給限度額とは別枠になり、受けられるサービスが減ることはありません。お気軽にご相談下さい。