インフルエンザの予防と治療について

インフルエンザの予防と治療について

●予防
手洗いうがいは予防の基本的な方法としてとても有効です。
手やのどについたウイルスを洗い流すために、外出から帰宅したら必ず行うようにしましょう。
手洗いはできれば30秒以上行い、多くの人が使っているタオルなどは避け、使い捨てのタオルペーパーなどで拭きましょう。うがいは水でも十分です。
正しい手洗い、うがいの方法はプリントを参照してください。
また、流行シーズンはマスクもするとよいです。
インフルエンザ感染者は発症の1日前から感染性があります。症状のあるなしに関係なくマスクを着用することで感染を防ぐ効果は高まります。
ウイルス自体の大きさは、マスクの目に比べるとはるかに小さいですが、飛沫はその大きさや表面の帯電によってマスクに捕捉されます。
いろいろなマスクが販売されていますが、どんなにマスクの性能が良くても隙間があると効果は半減しますので、鼻と口にぴったりフィットするものを選ぶことが大切です。
隙間ができやすいのは、鼻の横と頬の横です。顎はマスクで覆うのが正しいつけ方です。
空気が乾燥すると、繊毛運動などの、のどの粘膜の防御機能が低下してインフルエンザにかかりやすくなります。
しかも相対湿度が50%以上になるとウイルスの生存率は急速に低下しますので、加湿も予防に有効です。

●経過
①インフルエンザウイルスに感染
……A、B、C型があり、特にA型は流行の規模が大きく、乳児やお年寄りがかかると重症になりやすいです。

②潜伏期間1~2日
……この期間も人にうつしてしまう可能性があります。

③40度近い熱が突然出る。頭痛、筋肉の痛み、全身のだるさなどが強く出ることが多いです。
……症状が出てから48時間以内であれば、抗ウイルス薬が有効です。周りで流行っていたり、心当たりがあれば早めに受診しましょう。熱が上がり始めて半日すれば、病院で迅速検査もできます。


④熱は上下しながら2~5日続く。嘔吐、下痢を起こすこともあります。
……「お熱の時のホームケア」を参照して、ケアしてください。何日も熱が下がらないときは、合併症が疑われるので受診しましょう。

⑤発熱から1~2週間で回復
……登園、登校は熱が出始めてから5日を経過し、かつ熱が下がって2日してからです。(先生の許可を受けましょう。園によっては診断書等が必要なこともあります、園にも確認しましょう)

●抗ウイルス薬の種類と特徴

ウイルスの増殖を抑えますが破壊はしないので、増えきる前、熱が出はじめてから48時間以内に投与を開始しなければいけません。……登園、登校は熱が出始めてから5日を経過し、かつ熱が下がって2日してからです。(先生の許可を受けましょう。園によっては診断書等が必要なこともあります、園にも確認しましょう)

名前 タミフル リレンザ イナビル ラピアクタ
投与経路
期間
内服
1日2回5日間
子供は粉(苦い)大人はカプセル
吸入
1日2回5日間
吸入
1回
10歳未満1容器
10歳~ 2容器
点滴
1回
年齢 1歳~10歳未満
20歳~
5歳~ 1歳~ すべての年齢
良い点 吸入が難しい小さな子でも服用可能
予防的に使用可能(1日1回)
吸入がうまくいくか心配な人でも20回の吸入のチャンスがある
予防的に使用可能(1日1回)
1回で済む
注射ではないので痛くない
1回で済む
悪い点 粉はとても苦い
5日間服用しないといけない
比較的古いので薬の効きずらい耐性菌が出てきている
5日間服用しないといけない
小さい子供は吸入が難しい
使い方が少し複雑
1回のみのため失敗できない
吸入に少し力がいる
病院でしかできない
注射のため痛い、時間がかかる
※報道でもありましたが、特に小児、未成年者において、インフルエンザ発症後に服薬の有無を問わず、異常行動などの精神・神経症状が発現することが知られています。この症状は、多くがインフルエンザによる発熱後24時間以内の比較的早期に、また、睡眠中に発現することもあるといわれています。
このようなことから、自宅で療養される場合、異常行動による転落等の事故を防ぐためにインフルエンザと診断されてから少なくとも2日間、保護者の方は、就寝中も含めて、小児・未成年者を一人きりにさせないようにしてください。

【異常行動】…普段と違う突飛な行動をとる、うわごとを言ったり興奮したりする、幻覚が見える、妄想、意識がぼんやりする・混濁する、けいれん等

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