小児ぜんそくについてみんなで学びましょう!

ぜんそくのお薬の使い方

ぜんそくのお薬の使い方
喘息(ぜんそく)のお薬ってどんなものがあるのだろう?
喘息の薬は大きく2種類に分けることができます。
・長期管理薬(コントローラー)…発作が起こらないよう毎日続ける薬
・発作止め薬(リリーバー)…起こってしまった発作を鎮める薬

虫歯があれば治療する必要がありますが、虫歯にならないよう毎日歯を磨くことはもっと大切だということは誰でも知っています。それと同じように、喘息も起こってしまった発作を鎮めることはもちろんですが、発作をおこさないよう長期管理薬で毎日ケアすることが最も大切です。
それぞれの薬の使い方をきちんと理解し、守ってぜんそく治療の目標である
学校(幼稚園・保育園)を休まず運動も遊びも楽しんで、発作を気にしないで生活できる
ように取り組んでいきましょう。
喘息の薬はたくさんの種類がありますが、たくさん過ぎるので、コイケ薬局でよく取り扱う商品で今日はお話させていただきます。


長期管理薬(コントローラー)
正常な気道は炎症が起きていないため空気が通りやすくなっていますが、喘息患者さんでは発作が起こっていないときでも気道に炎症が起きており、既に気道が狭くなっています。つまり、たとえ「息ができない」という喘息発作が起こっていなかったとしても、「① 炎症を抑える(抗炎症)」と「② 気道を拡げる(気管支拡張)」の二つを行う必要があります。喘息の薬はたくさんの種類がありますが、たくさん過ぎるので、コイケ薬局でよく取り扱う商品で今日はお話させていただきます。
中でも喘息の本態である炎症に対する治療が中心で、強力な抗炎症作用を持つ吸入ステロイド薬が基本となっています。その他に、気管支を広げる長時間作用性β2刺激薬やテオフィリン徐放薬、アレルギー反応を抑える抗アレルギー薬などがあり、状態に応じて吸入ステロイド薬と併用します。
・吸入ステロイド薬
フルチカゾン(商品名フルタイド)、ベクロメタゾン(キュバール)、シクレソニド(オルベスコ)、ブデソニド(パルミコート)

強い抗炎症作用があります。ただ、効果が出始めるまでに3日~1週間ほどかかり、やめると効果がなくなってしまうので長期間、毎日続ける必要があります。
ステロイドというと副作用を心配する方も多いですが、吸入薬なので気道に直接とどき、内服薬と比べて用いる量が非常に少なくてすみ(約1/100~1/1000)、全身への作用が少ない薬剤です。ただし、吸入後は口の中に残った薬を洗い流すためうがいが必要です。うがいが上手にできない時は飲み物を飲んでも良いですし、ネブライザーで吸入した時は口のまわりも拭いてあげましょう。

・長時間作用型β2刺激薬
サルメテロール(セレベント)、ツロブテロール(ホクナリンテープ)
気管支を拡張する薬です。吸入ステロイド薬と一緒に使用します。効き過ぎると動悸や手のふるえなどの症状が現れる場合があります。このような症状が出たら主治医に相談しましょう。

・吸入ステロイド薬/長時間作用型β2刺激薬配合剤
フルチカゾン+サルメテロール(アドエア)、ブデゾニド+ホルモテロール(シムビコート)
吸入ステロイド薬と長時間作用型β2刺激薬が一緒に配合されている吸入薬です。気道の炎症をおさえる効果と、狭くなっている気道を広げる効果が同時に得られます。

・抗アレルギー薬(ロイコトリエン受容体拮抗薬)
プランルカスト(オノン)、モンテルカスト(シングレア、キプレス)
アレルギー反応によって生じるロイコトリエンという物質が、気道を収縮させたり、炎症を引きおこしたりするのを抑えます。喘息の合併症として多いアレルギー性鼻炎の治療薬としても使用されます。
その他にもメディエーター遊離抑制薬(インタール、アレギサール)や、ヒスタミンH1受容体拮抗薬、トロンボキサンA2阻害・拮抗薬、Th2サイトカイン阻害薬などがあります。個人の症状に合った薬が用いられます。

・テオフィリン徐放製剤
テオフィリン(テオドール、ユニフィル)
気道を広げる作用と、炎症をおさえる作用の両方を持っています。徐々に溶けるタイプの内服薬で、作用が長時間持続します。血中のテオフィリンの濃度があがりすぎると中毒症状が出ることがあるので、医師に指示された用量・用法を守りましょう。ステロイドというと副作用を心配する方も多いですが、吸入薬なので気道に直接とどき、内服薬と比べて用いる量が非常に少なくてすみ(約1/100~1/1000)、全身への作用が少ない薬剤です。ただし、吸入後は口の中に残った薬を洗い流すためうがいが必要です。うがいが上手にできない時は飲み物を飲んでも良いですし、ネブライザーで吸入した時は口のまわりも拭いてあげましょう。

発作止め薬(リリーバー)
喘息の発作がおきたら、効果がすぐに出る発作治療薬を使って発作をしずめることが最優先となります。
喘息の発作治療薬としてよく用いられるのは、気管支を広げる短時間作用型吸入β2刺激薬です。ほかに抗コリン薬(気管支を広げます)、短時間作用のテオフィリン製剤(気管支を広げ、炎症も抑えます)、経口ステロイドを併用することもあります。
これらで症状が改善しなかったり、苦しくて横になれないほど重度の発作の場合は救急外来を受診しましょう。

・短時間作用性吸入β2刺激薬
サルブタモール(サルタノール、ベネトリン)、プロカテロール(メプチン)
気管支を広げる作用が強く、速効性があり、喘息の発作時にすぐに呼吸を楽にしてくれる吸入薬です。よく使われている噴霧式の器具の場合、もしお子さんが噴霧と吸い込むタイミングを合わせるのが難しいなら吸入補助器具(スペーサー)を使うと、そのまま吸入するより簡単で効果も高くなります。ネブライザー(電動で少しずつ霧状にお薬を出して、マスクをあてて吸います)で吸入する場合もあります。
β2刺激薬には、吸入薬ほど早くは効きませんが、ブリカニール錠、メプチンDS(粉薬)などの内服薬もあります。

・経口ステロイド薬
ベタメタゾン(リンデロン)、プレドニゾロン(プレドニン)
吸入薬とは異なり、経口薬(内服薬)は喘息の発作時に使用します。β2刺激薬ほど速効性はありませんが、炎症の悪化を防ぎ、喘息の発作をしずめます。発作後数日間続けて服用することもあります。

最後に発作がおこらない状態を長期間続けるためには、喘息の原因である炎症を
抑える治療を毎日続けることが重要です。少しよくなったからといってすぐに薬をやめてはいけません。気道の炎症が再び悪化し、また発作がおきてしまうかもしれません。
自分の判断で薬をやめずに、医師の指示に従ってきちんと治療を続けましょう。

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