腎臓病食事療法のポイント
1.タンパク質は指示された量を守りましょう!
タンパク質を多くとりすぎると、腎臓で排泄される尿素窒素やクレアチニン等が多くなり腎臓への大きな負担になります。
・タンパク質は魚や肉だけではなく、ご飯、パン、芋類、果物、野菜など様々な食材
に含まれているので注意が必要です。
・タンパク質は色々な食品からとりましょう。特に主菜には良質なタンパク質を多く含む食材(肉・魚・大豆製品・卵など)を選ぶようにしましょう。
2.エネルギーを十分にとりましょう!
タンパク質を制限するとエネルギーが不足しやすいです。エネルギーが不足すると身体中のタンパク質が分解されエネルギー源になり(これを異化作用といいます)、体内の尿素窒素が増えるため、タンパク質を多く摂取することと同じ状態になり、タンパク質を制限する意味がなくなってしまいます。
※糖尿病性腎症の方は指示されたエネルギーを守りましょう!
◎エネルギーアップの工夫・注意点
・調理法に「炒める」「揚げる」をとり入れる。
・タンパク質が含まれない砂糖・でんぷん等を上手に使用する。
・少量で高カロリーな油、マヨネーズ、ドレッシング、ナッツ類を摂り入れる。
・甘い和菓子や洋菓子はエネルギーアップになりますが、たんぱく質も多く含まれているため注意する。
3.食塩は控えましょう!
腎臓でのナトリウムを排泄する能力が落ちていますので、食塩は控えましょう。特に高血圧の方は食塩の制限が必要となります。
・加工食品(ハム、ソーセージ等)や練り製品(はんぺんやかまぼこ等)、漬け物、佃煮、干物などはできるだけ控えましょう。
・みそ汁等の汁物は具を多めにして半量にするか又は飲まないようにしましょう。
・香辛料や酸味の使用で減塩でもおいしく食べられる工夫をしましょう。
・食卓にメリハリをつけ、減塩に慣れましょう
4.カリウムの制限をする場合
腎機能が低下して血液中のカリウム量が多くなってしまうと、カリウム制限の指示がでる場合があります。カリウムはあらゆる食品に含まれていますのでタンパク質を制限しているとカリウムも減らすことができます。
◎カリウムを減らす工夫
・生果物(特にバナナ、メロン、キウイフルーツ)はカリウムを多く含むので通常の半量にするか缶詰にする。(缶詰のシロップは捨てる)
・カリウムは水に流出しやすいので野菜・芋類は小さめに切ってから茹でこぼすか、水にさらしてから調理する。食材を小さめに切ったり、茹でた後によく水を切ったり、搾るようにすると、より多く除去できておすすめ。
・海藻類はカリウムを多く含むので、一度に多量に摂ることは控える。
5.水分の制限をする場合
症状によっては水分の制限が必要になります。
◎水分を制限するためのポイント
・飲む水分量を計量する。
・料理の水分も考慮するので、水気を切って食べるようする。
・極端な水分制限は腎臓を流れる血液量が減少し、働きが落ちるため指示量を守る。