グレープフルーツとお薬の関係性について

血圧のお薬とグレープフルーツの飲み合わせが良くないと聞いたことはありませんか?

今回は、よく耳にするグレープフルーツとお薬の関係性についてお話しします。

 

グレープフルーツに含まれるフラノクマリン類という成分は、お薬を代謝(分解)する酵素の働きを阻害してしまうため、お薬の効果を強めてしまうことがあります。

この影響を受けるお薬には下記のようなものがあります。

 

影響を受ける代表的なお薬

 降圧薬:ニフェジピン(アダラート®)、アゼルニジピン(カルブロック®)

 免疫抑制薬:タクロリムス(プログラフ®)、シクロスポリン(ネオーラル®)

 高脂血症治療薬:アトルバスタチン(リピトール®)、シンバスタチン(リポバス®)

 抗てんかん薬:カルバマゼピン(テグレトール®)

 

ではグレープフルーツだけに注意すればいいでしょうか?

実は、グレープフルーツ以外にも同様の影響があるといわれている柑橘類があります。

フラノクマリン類は果皮>果実>種の順に多く含まれているため、ジュースやマーマレードなどの加工品にも注意が必要です。

特にジュースは大量摂取しやすく、ジュースにするには相当量のフルーツを使用することがあるため、影響が出やすいです。

摂取量が多いほどお薬への影響は高まりますが、コップ1杯(約200ml)のジュースでも影響があるとされています。

 

一度摂取するとこの阻害効果は3-4日持続してしまうため、お薬と同時に摂取しなければ大丈夫というわけではありません。

これらのお薬の服用中は、上記の影響が大きい柑橘類の摂取を避けた方がいいでしょう。

 

しかし、どうしてもグレープフルーツジュースが飲みたいなどの場合は、より影響が少ないお薬へ変更するなどの対応策はあります。例えば、降圧薬でよく知られるアムロジピン(アムロジン®)は、ニフェジピン(アダラート®)、アゼルニジピン(カルブロック®)と同じ系統のお薬ですが、フラノクマリン類による影響は少ないとされています。

 

現在お飲みになっているお薬で気になることがある方は、主治医や薬剤師へお尋ねください。