皮膚がん

顔にできたホクロや爪に現れた黒い線。「もしや皮膚がんでは?」と心配になった人もいるのでは?

皮膚がんは年々増えていますが、早期に治療すれば完治が可能です。早く見つけるポイントをお伝えします。

 

高齢化や紫外線の影響で年々増加している皮膚がん。皮膚にできるがんの総称でいくつか種類がありますが、3大皮膚がんといわれるのが、「基底細胞がん」「有(ゆう)棘(きょく)細胞がん」「メラノーマ(悪性黒色腫)」です。

 

基底細胞がん

皮膚がんの中で一番多い。頬や鼻の周りなど主に顔面にできる。

有(ゆう)棘(きょく)細胞がん

顔や頭皮、手など紫外線をよく浴びる場所、火傷の痕などにできる。日光角化症から進むことがある。

メラノーマ(悪性黒色腫)

別名、ホクロのがん。皮膚のどの場所にでもできるが、特に手のひらや足裏、爪に多い。口や鼻の中、直腸の粘膜にできることもある。悪性度が高く、進行度が早い。

 

ホクロとどう違うのでしょうか?

 

良性のホクロ

 

メラノーマ

丸や楕円、左右対称的

不規則、左右非対称。隆起やしこり、出血をなどを伴う

くっきりして明瞭

境界

ギザギザしている、ぼんやりして不明瞭

茶色や黒色などの単調、濃さも均一

色調

黒や茶色、赤っぽい色など多彩で色むらがある

6mm以下

大きさ

6mmより大きくなる

 

皮膚がんの治療は患部の切除が第一で、早期なら生存率は100%近いが、進行すると命に係わる例が増えます。

 

予防は何よりも紫外線対策。紫外線は皮膚の細胞の遺伝子を傷つけ、長年の傷の蓄積が、がんを招きます。日焼け止めを塗り、日傘や帽子、長袖着用で肌を守りましょう。

また、足に水虫のある人はしっかりと治療を!水虫と足裏のメラノーマは相関があるという調査結果があります。水虫の罹患割合は、メラノーマ患者で6割、その他の皮膚がんで3割とメラノーマでの併発が明らかに多く報告されています。

特に足の裏がガサガサするタイプの水虫との相関が強いそうです。

 

実は日本には、皮膚がんの専門医が少なく、診断や治療が遅れてしまう例が少なくないそうです。そこで、今年4月から新たな取り組みが始まりました。

国立がん研究センター東病院皮膚腫瘍科で、早期発見と早期治療を促す目的で、全国の皮膚科医が、オンラインで皮膚がん専門医に相談できる、といった環境を整えました。

 

以下、セルフチェックシートで、心当たりがあれば、早めに皮膚科に相談しましょう。

 

セルフチェック

□いびつな形のホクロやできものがある

□シミやホクロやできものが大きくなったり盛り上がったりしている。

□ホクロやできものから出血している

□爪に黒い線ができて広がっている

□顔にかさかさした赤っぽいシミができて治らない

□以前、火傷やケガをした場所に湿疹のようなものができて治らない

 

参考;2024/8/31 日経新聞