高齢者の方にとって、日常生活における最も大きな楽しみは「食事」であり、いつまでも美味しく、楽しく安全に食事を食べることは、ご本人や家族にとって切なる願いです。
しかし、要介護高齢者においては、脳血管障害、様々な神経疾患、加齢による機能低下等により、生きるために必要な基本的な機能である「食べる機能」が障害されることがあります。自宅で簡単に作れる介護食をご紹介したいと思います。
【麺類】麺はすすらなくても良い長さに切って、とろみのついたスープで軟らかく煮込むと食べやすくなります。
【肉類】赤身より脂身のある挽き肉を選びましょう。すりおろした玉ねぎや山芋、パン粉、牛乳などをつなぎとして使い、生の状態でよく練ると軟らかく仕上がります。強火で焼くと固くなってしまうので注意が必要です。煮たり、蒸したりして軟らかく調理しましょう。それでも食べにくい場合はスープや出し汁とともにミキサーにかけましょう。
【魚類】魚は、加熱する事で身がほぐしやすくなります。「蒸す」「煮る」「あんかけ」が調理方法として適当ですが、水分や脂肪の少ない部分は加熱しすぎると、身が固くなってしまうので注意が必要です。
小骨を丁寧に取り除き、身を細かくほぐして出し汁にとろみをつけ、からめると食べやすくなります。またすりおろして団子にしても良いでしょう。
それでも食べにくいようだったら、ミキサーにかけましょう。
【刺身】まぐろは比較的軟らかく、薄く切ったり包丁で細かくたたいてきざむと食べやすくなります。白身の魚は身の固いものが多く、イカや貝類も同様に噛み切れないものとしてあげられます。
【豆腐】木綿豆腐より絹ごし豆腐のほうがなめらかで食べやすいです。火を通しすぎると硬くなるので注意が必要です。絹ごし豆腐でも飲み込みにくい場合は、ミキサーにかけたり、豆乳を使ってゼラチンなどで固めてゼリーにすると良いでしょう。