腸活始めませんか?

腸活で、心身ともに健康に!

 

「断腸の思い」「はらわたが煮えくり返る」「腹を決める」などの慣用表現、昔から人々は心と腸のつながりを感じ取っていたのですね。

脳と腸が情報をやりとりして、お互いに影響を与え合う仕組み【脳腸相関】が、今、大きな注目を浴びています。

腸→脳へ

空腹になると、胃から食欲を刺激するグレリンというホルモンが分泌し、脳に摂食を促す。

脳→腸へ

重要なプレゼンや発表を控えた時などに、強いストレスを感じて腹痛、下痢を起こす。

 

これまで、腸は、脳の指令を一方的に受け取るだけの器官だとされてきましたが、腸から脳へ、腸が独自のネットワークを持ち、自律的に機能していること、腸から脳へ向かう迷走神経や腸内で分泌されるホルモンを介して逆に脳へ情報を送っていることが分かってきました。

 

 

近年、腸内環境の乱れが、メンタルや認知機能の不調につながる可能性を示唆する研究が増えてきました。

 

・うつ病患者の腸内には、ビフィズス菌や乳酸菌が健常者と比べて少ない。

 

・認知症患者の腸内細菌叢を調べた研究では、バイテロイデスと呼ばれる菌が少ない例が多いこと。アンモニアなどの有害な腸内代謝物が増えている。

※有害な代謝物は、腸管バリアの機能を弱め、アルツハイマー型認知症の原因物質とされているアミロイドβやタウタンパク質などの蓄積を促している可能性があります

脳腸相関は、今なお解明途上です。

脳に影響を与える存在として、腸内細菌が着目されています。

脳に直接アプローチするのは難しく、手始めに腸活をしてはいかがでしょう。

腸内細菌のハナシ

私たちの腸の中には、約1000種類、100兆個もの腸内細菌グループが存在しています。その様子は、いろんな種類の花畑に見えることから、「腸内フローラ」と呼ばれています。腸内フローラには、身体によい影響をもたらす善玉菌、悪い影響をもたらす悪玉菌、どちらでもない日和見菌の3つに分けられ、善:悪:日=2:1:7の割合が理想とされています。

 

ビフィズス菌は善玉菌のひとつであり、オリゴ糖を栄養にして酢酸と乳酸を産生します。ビフィズス菌は、現在発見されているだけでも、100種類以上あるといわれています。

今わかってる中でも、ビフィズス菌MCC1274は、健常な中高年の方の加齢に伴い低下する認知機能の一部である❝記憶力❞空間認識力を維持する働きが報告されています。

 

もう一つの善玉菌の代表格が、乳酸菌です。

胃がんや胃炎の予防にLG21ヨーグルトが話題になった時がありましたね。乳酸菌の一種です。ビフィズス菌が大腸で活躍するのに対して、乳酸菌は主に小腸で活躍しています。

ビフィズス菌と同じように乳酸を産生します。

 

酢酸・乳酸などをまとめて短鎖脂肪酸といいます。主な効果です。

  • 安静時のエネルギー向上

血流にのって全身に広がり、体温や血流、呼吸をコントロールする交感神経節に到達。活性化を促すことで、脳や心臓、心拍数の上昇を促すことで、安静時のエネルギー消費量を上げ、脂肪を燃焼しやすくします。

  • 体脂肪の低減

血流にのった短鎖脂肪酸は、脂肪組織において、栄養が取りこまれるのを防ぎます。

  • 悪玉菌を抑える

腸内は常に、善玉菌VS悪玉菌の勢力争いをしていますが、短鎖脂肪酸は腸内を酸性に傾けることで善玉菌を応援します。特に酢酸は悪玉菌を退治する殺菌効果や増殖を抑える静菌効果があります。

  • ウイルスや病原体から体を守る

腸管バリア機能を高めて、O-157などの病原性大腸菌の侵入を防ぎます。

 

その他、適度な酸は腸の蠕動運動を刺激して、便通改善に役立ちます。

 

腸内細菌を増やすには

様々な食品をバランスよく食べるのがいいでしょう。多くの種類の有用菌が、手分けして有益な代謝物を作り出しています。腸内細菌叢の多様化を目指すのが効果的です。

 

【育菌】

食物繊維やオリゴ糖など、善玉菌が育つ「エサ」です。

 

☆食物繊維が多い食材・・・わかめやひじきなど海藻類、穀物、キノコ類など

☆オリゴ糖が多い食材・・・玉ねぎ、にんにく、大豆製品、はちみつなど

 

【補菌】

善玉菌そのものを直接取り込むことです。有用菌自体が、豊富に含まれる発酵食品を積極的に食べましょう。

 

☆発酵食品・・・納豆、ヨーグルト、味噌、醤油など

 

◎偏食せず、様々な食品を食べて、腸内細菌の種類を増やしましょう。

その他・・・

◎ウォーキングや、腹筋トレーニングなど適度な運動で腸を刺激しましょう。

◎抗生物質や薬剤を不必要に服用するのは控えましょう。

◎睡眠の質を上げて、ストレスを溜めないことも大事です。

 

食生活の見直しは、腸内細菌を整えるとともに、心と脳の健康につながるでしょう。

 

参考文献

日経新聞R7/7/21

glicoHP;https://cp.glico.com/tansa/・・・

大正製薬HP;https://brand.taisho.co.jp/contents/chokatsu/072/