高齢者の方にとって、日常生活における最も大きな楽しみは「食事」であり、いつまでも美味しく、楽しく安全に食事を食べることは、ご本人や家族にとって切なる願いです。
しかし、要介護高齢者においては、脳血管障害、様々な神経疾患、加齢による機能低下等により、生きるために必要な基本的な機能である「食べる機能」が障害されることがあります。自宅で簡単に作れる介護食をご紹介したいと思います。
【乳製品】牛乳は嚥下障害の程度によってはそのままでも飲めますが、むせる場合はとろみ調整食品でとろみを付けたりゼラチンなどでゼリーにすると良いでしょう。
ヨーグルトはそのままでもとろみがあり飲み込みやすいものですが、発酵が進むと酸味が強くなるので注意が必要です。チーズは温かくなるととろみがでて食べやすいですが、喉に張り付きやすいので注意が必要です。
【野菜】皮は厚めに剥き、芯、筋は取り除きましょう。
繊維質の多い食材が入っているお料理をフードカッターにかけると、繊維だけが細長く残ってしまうので、生の状態で刻んでおくとよいでしょう。
*調理済みのお料理で、例えばほうれん草のおひたしや、繊維の多いごぼうの煮物などです 。
-根菜類・豆類
時間をかけてじっくり煮る事で軟らかく仕上げる事ができます。
-繊維質の多い固い野菜
れんこん・ごぼうなどは繊維を断ち切るように薄く切ったり、すりおろして団子にすると食べやすくなります。
-葉菜類
葉先の軟らかい部分を使います。茎や芯は時間をかけて煮る事で軟らかくなります。
葉ものはひらひらとして喉に張り付きやすいので、細かく刻んでとろみをつけたあんでからめて食べるか、ミキサーにかけると食べやすくなります。
【果物】酸味の強い果物は、むせの原因となるので避けるようにしましょう。熟した柿やバナナなどはやわらかくそのままでも食べやすいです。
りんごはすりおろしたり、コンポートにすると軟らかく食べやすくなります。
その他、ミキサーにかけてジュースにし、必要に応じてとろみをつけると飲み込みやすくなります。